表紙の模様は夏が７つ合わさって出来たもの。夏を斬った斎藤の天地に浮かぶ模様も、数多くの夏が変形したものである。

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新選組の三番隊組長として広く知られる斎藤一。同人誌を表紙から１と数えた時に３頁目に存在する男は、多くのかくしごとをしているが、己の誠だけは誤魔化すことができない。それが新選組の斎藤一という男。また、３度目の夏に「三人寄れば文殊の知恵」のことわざの通り、失った仲間達の前で誓いを立てる三人。山南敬助は「三」の数字を用いた署名をしていたようだが……。

表紙から１と数えた時に５となる頁から本格的に漫画が始まる。５と言えば、何度も変名した男が最後に辿り着いた名の五の字、一般的に知られる斎藤の名は５つあるが、他にもどこかでこの数字を見たような気がするが……。

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新選組の夏は７度あり、７度目の夏に終わる。同人誌内で漫画が始まった５頁目を1と数えた時、７頁毎に本文に刻まれていた数字は十王の審判が行われた記録。また、７頁毎に本編中で重要な場面が描かれる。

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斎藤一（山口一）が江戸を出て行ったのは、文久二年。年齢は１９とされる。人を斬った為と言われているが、Fateでは試衛館の面々が浪士組に参加する時はいなかったという設定で、人斬りについての言及はない。同人誌では、５頁目を1と数えた時、１９頁目から箱に入った斎藤一の様子が描かれる。

斎藤一の名が初めて現れたのが、文久三年。年齢は２０とされる。同人誌でも、斎藤一がやり直す地点は、５頁目を1と数えた時の２０頁目からになる。

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現在のFate新選組の支柱であり、自身を新選組そのものであると公言している土方歳三の享年は３５歳。同人誌を表紙から１と数えた時の３５頁目には、新選組を大きく変えた池田屋事件。漫画が始まった５頁目を1と数えた時の３５頁目には、墓参りの際に僅かに見せた土方歳三の動揺を描き、土方という男の感情を描いた。漫画内で使用されたトーン濃さやフォントサイズでも３５が使われている。死者は亡くなってから３５日目に地獄の王に輪廻転生の行先を決められるのだが……。

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同人誌を表紙から１と数えた時の４９頁目の見開きを最後に斎藤一はやり直していた。何度もこの顔をみた。時に泣き崩れたり、怒りをぶつけたり、繰り返す度に全て違った。全て覚えている。漫画が始まった５頁目を1と数えた時の４９頁目の見開きで、物語の大きな真実が描かれている。

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斎藤一の最後の名である藤田五郎を伏字表現する際に、５６と用いることがある。同人誌を表紙から１と数えた時の５６頁目には、物語の解決部分がスタート。漫画が始まった５頁目を1と数えた時の５６頁目には、カルデアの斎藤一が夏を繰り返す斎藤一と向き合いはじめる姿を描いた。漫画内でフォントサイズでも５６が使われている。そしてこの同人誌の背幅（本の厚みのこと）は、個体差はあるが、概ね５.６㎜になるように設計されている。他にも同人誌製作時に５６と数字で何かあったらしい。

死者が地獄で出会う６度目の王様がいつも許してくれた。現れた仏さんも地獄へ行くことを後押ししてくれていた気がする。だから６度目の夏でいつもやり直しを願った。ただ僕たちの人生の記録が描かれた閻魔帳が人の手に渡ってしまったことで、ループを誤魔化せなくなった。表紙から１と数えた時の６６頁目には、自分を認めることができた。６６と言えば生前の僕が隠居をしはじめた頃だった気がする。

僕こと、斎藤一の人生の終わりの数字。

既に提示した「斎藤一の閻魔帳」こそが同人誌「n度目の夏」そのものであるは、言葉通りだ。

この同人誌の中で漫画が始まった５頁目を1と数えた時に僕は生まれた。詳しくは思い出せないから、特に印象に残っている７つの出来事を言うとね。１９で人を斬って色々運命が変わったのかな。それに２６の時に新選組が終わってさ。そこから色々あって３１であの人と結婚して、子宝に恵まれた。３４の時で戦争に行って、ちょっと弾かすっちゃったりしたけど、生き残ってしまった。４９で警察を辞めて、もう少し働いたけど６６から隠居生活。７１でおしまい。……これが僕の人生。同人誌にも書いてあったでしょ？……僕の人生がさ。探してみてよ。

​「ｎ度目の夏」を何と読むかは個々の判断に任せる。「７度目」でもいいし「何度目」でもいい。

「n回」に関しては残すのやめようかと思ったんだけど、知りたいって言われたから書く。だけど具体的な数字を書くとびっくりされちゃうから、ぼかすけど、「ある新選組のはじまりからおわりまでを、ある単位で表した数字」だよ。ある新選組とは何なのか。もしかしたら人のことかもしれないし、…………誰かの人生の話かもしれない。単位だって色々あるからね。時間か日付か……なんだろうね。……僕も、もうわからないんだよ。ただ、皆の期待に満ちた笑顔も、……絶望した顔も、どんな顔も覚えている。その時の斎藤一が覚えている。